〜 nilの全映像を監督した今井俊彦氏特別寄稿
 
 ついにnilのMUSIC FILM集が出るのだ。 ファンクラブイベントなどでは披露する機会があったが、 それを逃したファンには殆ど目にする事が無かったと思われる、nilのMUSIC FILM。 それが今夏、やっと一つの作品集としてリリースされるのだ。 これは俺にとっても嬉しい事だ! 収録曲は全8曲、nil映像完全収録なのである。  改めてこういう形で観ると楽しいね。色々な事やってるし、 メンバーも若かったり、変わってなかったり、撮影時の思い出とか、色々な意味でかなり楽しめました。 「nilの場合は全てがいい方向に転がる」というのが我々UZUを初めとする撮影チームの毎回の感想で、 本当に不思議なくらい、毎回いい作品が生まれるのである。 「こんな事がやりたい!」といつも勝手なアイデアを、 「いいよ!」と嫌な顔ひとつせずにこなしてくれるメンバーに感謝だし、 撮影チームの頑張りとパワーには助けられるし、その全員が同じ方向に向って行くので、 いつも不思議な力でいい作品が生まれる。 そんな作品が集まったこの「STRONGER THAN PARANOID」を是非とも観て欲しく、 今回は勝手に全曲解説をする事となった。
 
1.「INPLOSION TEENAGE GIRL」
 12 INPLOSIONの中から何曲か撮影しようという事になり、色々と候補が挙がったのだが、
「オープニング曲だし、これじゃない?」と茂呂ちゃんの一言により撮影する事に。
シンプルに演奏シーンを撮影したいと思い、白バックで撮影する事に。
プラス要素として
「nilと地球が繋がっていて、演奏すると地球が発光して、nilのサウンドによって地球もパワーがでるんだ!」
という仕掛けもあり、3人の現在の勢いをパッケージした1曲。
 
2.「FM」
 一番最初に作ったPV。
「INPLOSION TEENAGE GIRL」の次に入れると対比が面白いと、この位置に収録。
予算も無いし(笑)、ワンカメノーカットで撮影しようと、私の先輩である東放学園の大和氏の協力のもと、
学校のスタジオを借りて撮影。2テイク撮影した中の1テイク。生徒のみんなにも照明とかやってもらって感謝です。
しかし樫本......誰?これ(笑)。茂呂ちゃん以外は若いねえ。(笑)
 
3.「PLACEBO」
 これもFMの流れというか、東放学園の大和氏の要請のもとに 「学校のイベントの中でPV撮影風景を見せたいから、nilで撮影してその撮影風景を見学させて欲しい」 との希望があり、この曲を撮影する事に。 どうしてもこの曲で動物きぐるみ着せたくて、レンタルして撮影しました。 教育番組っぽいセットと可愛い映像の中にもシュールな演出というのが狙い。 当時アメリカがイラクに攻撃をし始めた時で、赤頭巾ちゃんと狼の影絵が撃ち合ってたり、 赤頭巾ちゃんの家の煙りが「NO WAR」になっていたり、実はちょっとメッセージがあったりもする。 生徒のみんなとセット作ったり、大変だったけど狙い通りの映像になりました。 東放のみなさんありがとう!
 
4.「さよならダヴィンチ」
 セカンド発売時期に作ったのがコレ。(撮影時期の)順番的にはFMの次。 この曲の世界観を大事に企画しました。 野外ロケで、撮影当日は天気にも恵まれ、3人のバックショットには富士山も出演してくれています。  どうしてもアニメーションが入れたくて、頑張って書きました。 でもそのアニメーションが映像をより引き立てていると思います。 今は無き樫本号(4年乗った愛車。今年3月に廃車。)の勇姿が涙を誘います(笑)。
 
5.「雨と無知」
 ファンクラブイベント用に何か作りたくて「とりあえず集まって!」とメンバーを集めて勝手に撮影して作りました。 「スチール写真だけで構成したPVって無いなあ」と、やってみたらかなり良かった。 自分なりに哲の歌を解釈して、子供の頃の懐かしい感じと、現実を上手くミックスして、 夢や未来みたいな意味合いを表現したかった。 シンプルでかなり好きな作品になりました。
 
6.「烏の目」
 これはまだ誰も目にしていない作品。 この作品集の為に撮り下ろしました。 観てのお楽しみ!
 
7.「DOWN」
 3枚目のタイトルチューン! 今までよりちょっとだけ凝った作りになってます(笑)。 見どころはもちろん、「東京湾を泳ぐ哲!」  夜の東京のイメージで、どうしても夜景が見える海で泳いで欲しくてお台場で泳がせちゃいました。 愛するギターも一緒に!すいません!  撮影は勿論大変で、道路に寝るわ、走るわで、その後海に入って撮影。 時期的にくらげが出る時期だったし、ウエットスーツを着ての撮影予定が 「そんなの邪魔だ!」と男高野は単身海に飛び込み、撮影は無事終了しました。 ギターもあんなに濡れる予定じゃ無かったのに、すいません。  演奏シーンはファブフォーの山崎さんの協力のもと、事務所の廊下を借りての撮影。 スタイリストまでやってもらっちゃってホント感謝です。
 
8.「夜の色」
 結果的に「DOWN」の続編的内容になったために、PV集では続けて入れてみました(笑)。 これもタイトル通り夜のイメージで、リップシンク無し、ワンカメ!がテーマでした。 タクシーを借りて、機材を取り付け、曲がスタートしてから終わるまでにイメージ通りの絵が撮影出来ないとダメ。 タクシーを走らせて、哲を拾って渋谷の街をノンストップで走らなきゃ意味が無い! カメラの動き、タクシー、哲の演技(?)全てが上手くいかないと納得出来ずに何テイク撮影したのでしょうか? 信号の変わり目まで計算してるのに渋滞までは計算出来ないし。かなりやり直ししました。 それでも最後まで哲もタクシーの運転手さんも、嫌な顔ひとつせずに頑張って、 結局最後は、信号無視して完璧なテイクが撮れました。 タクシーの運転手さんもいい人で良かったです。ありがとう!  ホントは曲の最後のフェイクからエンディングまでは演奏シーンもスタジオで撮影して、 そこに樫本、茂呂が出てくる予定だったのだが、結果的にこれが良かったのでそのまま使いました。
 
以上、nil初のPV集の全曲解説でした。 ツアー最終日の7月24日リキッドルームEBISUから会場と通販のみでの販売です。 ジャケットもナイスな出来だし、是非とも観て下さいな。 そして感想をいただければコレ幸い! よろしく!
2004年6月某日 天才